新卒女雑記録

22時ちょうど 東京発

私が作った話

夢アラーム vol.2

目が覚めるとどこかのベッドの上だった。見渡すと、部屋の中には自分が使っている他に7台のベッドがあって、そのどれにも人が寝ていた。部屋は広くはないが天井が高く、体育館のように、手すりのついた廊下が二階の部分にぐるりとついた構造になっていた。ど…

夢アラーム vol.1

別の世界から戻ってくるためのすべり台が完成したのは18年前のことです。そしてその時、別の世界、そこを私たちはフロンティア・ラボと呼んでいます、の発見とその意外と長い歴史も明らかになったのでした。フロンティア・ラボから戻ってきた42歳の男性は、…

右足

わたしあのね、ガラス張りのビル好きなんです。みんなの愛がキラキラに反射してるように見えるよね。愛は温度なんですよ、じわじわと包むようなありふれた愛、わたしいらないんです。200度の油ぐらいの弾けた愛でわたしの愛に応えて欲しいんです。最後になっ…

生きものであるから

人と別れた後に何が変わるのか考えてみた。においが変わる、というのがたくさん感じられたなあということを思い出した。まず、家に帰って自分でない人のにおいがしなくなる。洗濯物の山も、自分の山になる。布団の中のにおいも、シーツを変えれば消えたよう…

レモンのチョコレートが好きです

恋人ができれば、21になるが未だ人を好いたことのない私ですが、その先をあれこれと想像してみることがままある。世に蔓延る言葉に当てはめれば私は草食女子だ。男友達がいないわけではないし、大学生になってからは2名ほど、好意を寄せてくれた男性がいたが…

なまにくの色

有り体に言うと心が弾んでいる時、心はなまにくの色をしている。vividな血液が心に集まり、少しさわれば張り裂けようかというほどに膨らんで、薄くなった表面を透かして見える色がそれだ。これほどに引っ張られている心はもちろん痛くて、何度も足を組み替え…

以下

本日船に揺られながら夢うつつに書きました。自由詩になります。 *** 船の頭が海を叩く 水面が砕け 破片が飛んだが あっという隙も与えずに 白い瑞々しさは再び 海になる *** あー全部あかん、なんとかなりたい早くどこかに行って、新しい自分の世界で…

8月11日

目ざめてすぐに、今日は外に出なくてはならない日だとわかった。時計は午後1時を指していた。 ふらつきながら着替え、外へ。気分は沈んでいる。精一杯の平静を装いバーガーショップでバーガーとポテトを手に入れた。心臓がばくばくして、何でもいいから、台…