新卒女雑記録

22時ちょうど 東京発

切り取り売買

 

欲しいものがあった時、それを手に入れるために、それまでにどれだけの期間、どれだけのレベルのものを我慢していようと、あるいは、それを手に入れるために、それまでどれくらい努力していようとも、簡単に全てを捨ててしまうことがよくある。私は、その欲しいものの持つ潜在的な魅力に相当する努力、我慢を超えた時に、欲しかったものの魅力が失われて行くんだと、感じているのだけど、それは果たしてそうなのか。本当は欲しいけど手に入りそうにないものを諦めるための優しい優しい精神作用なんじゃないのか。答えはない、しんどい。

 

友人たちと電話をした。23時から4時間もずーっと電話していた。たわいのない話をして、クソみたいな下ネタに笑い、楽しかった。すごく楽しかった。だけどある時突然にガクッと落ちた。楽しい印象は残ったままなんだけど、突然に重いのがのった。3人で話していた。1人は病まない、明るい、聖人だ彼は。もう1人は、私と同じような方向で病む人間。限りなく近しいところに傷があるんだろう。私は自分の傷えぐり精神自傷行為大好きなので、存分に最近見つけた傷を見せびらかして帰ってきた、心臓の下のところが冷たくて、ありえん気持ちがいい。聖人は唐突に落ち込み出した2人を目の前にあたふたした。もう1人は口数が極端に減った。

 

でも似たような、似たような人っているんだなと思ったら、自分の取るに足りなさを実感したような気がする。それでもまだ自分には何か特別がのってるはずだと、(直感的に)理解したままの自分がいる。傷の近いオタクが男でよかった、と心から思う。女だったら現実的すぎて、自分がとられたみたいになってしんどかったと思うから。