コンビニでチョコレートを買う。別に食べたくもないチョコレートを、1ダース、きっちり飲み下し、地下鉄へ乗り込む。いつもより揺れているような気がして気持ちが悪くなってくる。悪阻か?などとつまらなさ過ぎるジョークをあたまのなかで20往復くらいさせた。前を歩く女の子の、シャツがシワシワでただのひとつも自立していないフリルが、湿気を吸ってさらに重そうで、アイロンくらい当てればいいのになあ。
そういえばわたしは小学生の頃からアイロンをかけさせられていたが、末の妹はやっていたかなあと気になった。やっていたようなやっていなかったような。わたしが長女なので、アイロンがけ、掃除、ご飯の準備の手伝い、学校の勉強、全部まだ、教えるのに熱があったように思う。果たして末のが弟だったら、アイロンがけは教わったのかしら。うちには女しかいないのでわからない。