新卒女雑記録

22時ちょうど 東京発

黄色いドア

長すぎるお盆休みをもてあましていた。クーラーの風にいらいらが隠せなかった。部屋の中、風が吹き抜けるような家に住みたい。

 

一日過ごせば悲しい気持ちになるようなことなんていくつか出会う。家を出ればもっとたくさんある。道に落ちているセミの死んだのがひっくり返っているのを見つけるだけでもちょっとは悲しいような気持ちになるでしょう。でもそれよりもずっと特大の悲しみがあって、それがいつになれば薄く薄く伸びていくのかがわからない。10年経てばなんともなかったようなことになるのか、それとも10年しても10年前の悲しみはそのままに呼び起こされるのだろうか。死んじゃった彼が25歳のままなことに、また別の感情が生まれていくような気がする。いなくなった時が遠くなれば遠くなるほどもう本当に取り戻せないという気持ちが強まるのが感じる。未だに実家に電話をかけて、本当に彼が死んだかどうかさえ、確かめることができていない。