新卒女雑記録

22時ちょうど 東京発

セックスを拒む

 

夜、恋人との夜のうち、布団に入る瞬間より後を恐れない日は少ない。いつも大抵私が先に布団に入り、後から人が入ってくるのをおそろしさ半分、嬉しさ半分に布団を温める。恋人の手が、私の服の裾から入ってきたとき、ああ、今日も、、、と身構えてしまう。そして、なさけない、私の肉体は男を受け入れる。始まって仕舞えばなんの苦労もない。苦しくも痛くもない、しかし新たな発見も喜びもない、ただ、精神のうまく働く日は、彼を満たした喜びが私を満たす。肉体のうまく働く日は快感を得る。うまくいかない日は、消費された感覚と繰り返しの中に取り込まれてしまったというしょうもなさが残る。もっとダメな日は気持ち悪さで全身をかきむしる。

 

友人の一人が、私がセックスを楽しめないのは相手が下手だからだと言ったことがあった。果たしてそうとは思わない。私たちは心のつくりが違うのだ。自分の姓を私個人に属する特徴だと、認識することができないのだ。女はみんな性としてはおんなじ女、なんの違いもないと思うのだ。

 

友人たちにセックスを断ったことがあるかと聞いたことがあった。みんなあると言った。それを聞いて私も断った。そのあと寝付くまでずっと、ずっとずっと、私のようなセックスさせない女は嫌われたのではないかと恐怖し、今すぐにでも泣きながらどうかセックスしてくださいと頼み込見たいような気持ちに支配されることになった。

 

恋人は私のこの気持ちを理解できない、みんなきっと理解できない。みんな私が今夜セックスはしたくないといえば、今日はたまたまそういう気分じゃないのかな?もしかしたら明日の朝早いのかな?今日は外出して疲れたからかな?と思うでしょう。私が言いたいのは子供を産むわけでもないのにセックスをしたくない、というだけの意味なのに。

 

どうして誰もわからないの?

 

服の隙間から入る掌の熱がひたすらに煩わしく、私をイラつかせる