新卒女雑記録

22時ちょうど 東京発

2018-11-01から1ヶ月間の記事一覧

整理整頓

恋人が寝返りをうつ、私の方に背を向けてころがっている。そんなどうしようもないことに肝が冷え、そっと後ろから背をなぜる。こちらを向いてくれないので、悲しくなって静かに泣いてしまう。そんなことがよく起こる。 手を繋ぎにいくと、暑いと言って振り払…

ビスコ

品川駅のホームから彼が車内へ乗り込んだ時、彼の席にはすでに人が座っていた。彼が最も苦手とする若い顔の良い女で、ヒールを履いた足がギラついている。彼も十分に若く、容姿も人並みか、それ以上のものではあったが、きちんと化粧をした女に話しかけるこ…

ほんとの部屋

あなたは、ほんとの部屋に招かれたことがあるでしょう?遠いむかしからのことを思い出してください。幼稚園のおもちゃのお家の中、移動教室の夜同じ布団の中、近所のマンションの階段の裏、昼休みの談話スペース、深夜の寿司屋のカウンター席、向かい会うそ…

言葉の選び方

いつでもどこでもできる遊びとして、私が昔からやっていること、それはパーフェクトな擬音を作ること。電車の発車音を聞けばそれをカタカナに起こす。ステキな色を見つけたらその輝き方を文字に起こす。お腹が痛かったら、その痛さを擬音に、する。 似たよう…

すべての優しさを超えるには

優しくしようと思うこと、その気持ちになれること自体が幸せで素敵だな、というのはいつも思うのだ。だけど優しくしようと思ってのことでないところを優しいと感じることができたとしたら、その二人の関係はなんらかの幸福を伴うと考えるのが当然じゃないか…

ウェルカムタピオカ

今飲んでいるタピオカの蓋にそう書いてある。 タピオカがかなり好きなので、家で戻して茹でたものを冷凍庫に貯めてある。この間、浅草の一芳イーファンというタピオカ屋さんが超美味しいということを教えてもらい、そそくさと行ったものの、そこのお店は全部…

生きものであるから

人と別れた後に何が変わるのか考えてみた。においが変わる、というのがたくさん感じられたなあということを思い出した。まず、家に帰って自分でない人のにおいがしなくなる。洗濯物の山も、自分の山になる。布団の中のにおいも、シーツを変えれば消えたよう…

たとえば

ゆるいしあわせがだらっとつづいたとする みたいな歌を誰かカラオケで歌うじゃないか。その続きどうなったのかを思い出せない朝です。 この3日ほどのわたしは真性その反対ちゃんで、ゆるい気にくわないことがだらだらと続いて、昼間ぶちあげたしあわせゲージ…

精神がどこかへ

行ってしまったという感じがする。 最近のダメな日の常だ。先の先から分かっていたことで、自分でなくてはならないことなど本当は何もなくて、ただそのように思うことが異常だということに気がつかない人間がほとんどすべてを占める世界があるというだけのこ…