新卒女雑記録

22時ちょうど 東京発

つるつるの石

 

初めて乳白色の上を歩いたとき この前遠足で拾った石だねと言った

母はたぶん違うと言った

 

威嚇するために音を立てる 細いヒールよりも

黒いエナメルの子どもの靴がよく似合う

 

裸足で乗るにはつめたすぎるが 厚い靴下もご遠慮ください

大ぶりなフリルの 足首までの白いソックスを履いて 優しく歩いてください

 

 

 

 

 

930PM

 

爪を切りました

綺麗に整え手を洗い

ワセリンを塗り

あなたの帰りを待っています

 

今夜 あなたに シャンプーをしてあげる

わたしの指先がきっと 優しさを伝えられる

疲れたあなたを癒すの

よろしければ また明日も 明後日も

 

シャワーが強いですか

しっかり流し蛇口を閉め

タオルを取って

あなたの髪を乾かします

 

今夜も あなた 生まれ変わったかしら

わたしの指先がさっき 優しさを伝えられたら

疲れたあなたを癒すの

よろしければ また明日も 明後日も

 

 

 

 

 

Im Zuge des Aufstiegs der Zivilisation muss die Poesie fast notwendig darniedergehen.

 

わたしは、文明よりも美しい言葉が欲しい

 

 

いちづけ

 

自分の好きな人に対して、私たちは好意を伝える方法をたくさん持っています。ひとつに、他人との差別が挙げられます。友達、親友、恋人、家族と、関係性に名をつけること。そしてその関係の下、さらに差別化を計る。笑いかける、ともに出かけ、手をにぎりしめる、約束をする、同じものを好きになる。最近わたしがずっと、ウンウンと考えているのは差別化の最たる例であるセックスについて。

 

私は、セックスに対して肯定的な気持ちを持たない。まず大切なのは、これからの話は全て精神の話であり、肉体とは関わりがないということです。物心ついた頃から高校生の時まで、性行為は禁忌だと、恥ずべきもので、軽率に行うべきものではないと教育を受けてきたわけです。当然それを真に受けていたわけではなく、当時のわたしも様々に考え、一つの真実にたどり着いていました。たしかに性行為は精神の堕落です、それが快楽のために行われる限りは。しかし、それが、子供を成すために行われるのであれば、確かに目的を持った、有意義な行為であると言える、と考えました。今もそう思っています。子供を成すことが良いか悪いかは別だけれども。ただ、快楽を得るための性行為ならば、相手が恋人であるかどうかは倫理を外せば関係ないと考えていましたが、先日、友人が、恋人以外とセックスした場合、体は気持ちよくても頭が気持ちよくないと言いました。わたしの彼氏は好きだからセックスしたいと思うと言います。そこのつながりがわかりません。セックスできるから好きなのか、好きだからセックスするのか、それをしっかりと考えた上で言っているのかしら。

わたしのセックスに対する暗示は、うまくはたらくこともあります。基本的には、相手への自己犠牲精神の表明手段として位置付けます。相手が望むもの、ことを全て叶えるよう努力することが愛を示すために有用な手段だと考えているので、セックスも、相手がしたいと思うのであれば叶えてあげようと臨むのです。終われば、よかったね、と愛しむ気持ちになれます。これがうまくいかない時には、今日もわたしは消費されてしまったのだなと、破滅的な気持ちになります。相手を憎んでしまうこともあります。真実の愛を示してよ!と、責めるような気持ちになってしまいます。1人で泣きながら布団にもぐります。

でもよくよく考えてみればこれはわたしの至らぬところで、相手をきちんと信じていないだけなのです。相手が愛を示すためにセックスしたいと言い、その言葉と行動が一致しているのであれば、わたしは変に勘ぐることなく、それを信じていればいいのです。彼はわたしが好きだからセックスしたいと思う、つまり、二人の世界では、セックスは愛の証左であると、認めてしまえばいいだけなのです。このことに気がついた時から、申し訳ない気持ちでいっぱいです。

 

世の中と、私たち二人の世界は、繋がっていないということを忘れてはならない。

 

 

 

いつのまに

 

毎週日曜日除光シートで爪を拭い、爪に化粧水をかけ。爪磨きで三回磨いて、マニキュアを塗り直す。やらなければならないことを押しのけて、この作業に専念する。心が無になり、爪先の、きらきらに集中する。今は、頭が、痛いが。今は、やらなければならないことをしないために記事を書いている。後回しにするために。私にとって、ここは優先度の高い場所である、という風に決めてあるので。

先週の金曜日から、連絡しなければならない先が複数、送り返さなければならない手紙が一通、支払わなければならない請求書が二通ある状態が続いている。この記事を書き終わったら、手紙の返送、支払い、そしてまあ、まず最初にだが、連絡を二件処理してしまうつもりだ。時間切れが迫っている。

 

私は、ここまで来てさすがに自分の精神が正常だと思い込むことが厳しくなってきた。これはもう、どうしようもないことです。部屋が汚い気がしてきたので、お掃除もしなければいけない。すでに掃除機をかけられるような時間ではないので、クイックルワイパーにお仕事をしてもらいましょう。すべて終わったら、、なるべく2時までには終わらせて、お風呂に入り、本を読みながら眠り、きっと、元気になります。