新卒女雑記録

22時ちょうど 東京発

いつもの

怖い想像を何度もする。

美しい景色のために一つだけ必要だったおぞぞな気持ちが暴走している。さっきから何度も、船の手すりを使って前回りをしてそのまま海に落っこちる想像が頭から離れない。水に落ちたらそのあとじっとして浮かぶのを待ってそれから立ち泳ぎをしながらズボンを脱いで、船に向かって泳いで行っていつか救命ボートがくるのを頑張ってまつところまで想像する。落ちた後は我慢すれば浮けるのだろうか、夜だから上と下がわからないだろうからどうしようか、といらない心配がどんどん頭を支配する。今までにないパニックが頭の中に起こる。いつもの発作が海で起これば考え慣れてないしかも具体的な恐怖が立ち上がることがわかった。しかもなんだかその恐怖の実際を確かめてしまいたい気持ちにさえなる。明日手すりに近づかないことにする。

 

わたしは船乗りにはなれないな。