新卒女雑記録

22時ちょうど 東京発

鉄道の旅

 

妹と二人の生活、電車の中で丸一日過ごす。明日もこれが続くのか?とすでに限界の雰囲気がどこからかやってきている。朝食べたミカンとリンゴのフレッシュさが本当に嬉しかったよ。まあ私はまだまだ元気ですけどね。船に揺られて鍛えられた体は、電車の揺れなんかではもうちっとも参らない。今日は20戦くらい二人大富豪をして、ページワンして、神経衰弱と七並べをして、途中で止まったベラゴルースクという駅で30分ほどの停車時間があったので、喜び勇んで一時下車、腕をぐるぐる回して伸びて、ハンバーガーとリンゴを購入。生の果物は本当にすごいのだ。明日はどこの駅で降りれるかなあと今から楽しみだ。

 

下車していた時現地のホームレス?酔っ払いに絡まれて3人で写真を撮ったのが、軽い恐怖体験。よれよれの日本人乗客に話しかけられて写真を撮りましょうか?と撮ってもらったのもなんとも言えなかった。旅の醍醐味として現地人や行きずりの人間との交流を求めている人間だったら良かったのだけれど。

 

もう寝ようかと行って明かりを消して、進行方向に垂直な寝台の上段で転がって、枕を抱きしめながら、好きな音楽をイヤホンから流し、電車が右に曲がるのを、左に曲がるのを、停車するのを感じるのが楽しい。電車に乗っているというだけの行為がこんなに楽しいのが不思議だ。

 

今日の晩の設定は、こうだ。今世界には、この列車に乗る人たちだけは確実に生き残っている世界だ。次の駅に行けば、まだ生き残っている人がいるかもしれないし、いないかもしれない。日本にいる人たちはみんな、死んでしまっているだろう。電波はあるのに、何度フィードをリフレッシュしても誰のつぶやきも、誰のストーリーも、誰の新規投稿も認められない。みんなどこかへ電話をかけているが繋がらない方が多い。向かいの席に座っていたおばあちゃんは、昼間途中の駅で降りていったが、果たして会いたい人を見つけることができるのだろうか。この電車を降りた先、私の愛すべき人のところまでたどり着くことはできるのだろうか。

こんな想像に、線路の向こうのむこうまで全く明かりの見えない世界からの不安が重なる。

 

みんなわかるでしょう、長距離列車の夜は私にぴったりの夜なんだ。