新卒女雑記録

22時ちょうど 東京発

あたし赤ちゃん

 

旅先で、かろうじて読める程度のキリル文字を見ながら過ごす。3,4日も経てば目に馴染む。н,иやл,д,пあたりの文字の見分けがつきにくいフォントが多すぎるが。耳はまあ追いついていないし単語もほとんど知らないが、おばちゃんが電車の中でボリショーイ、言うてバイカル湖を指さすのを見てれば意味はわかる。きょう(きのう) バイカル湖畔の村リストビャンカへ行った時、そこから乗合バスに乗り、バイカル湖博物館へとバイカルアザラシを見に行った。長距離乗合バスのシステムがなかなかに初見殺しで、そろそろ自分のバス停やなと言う時に運転手に向かってみんな駅の名前を言う。いや、行ったことないとこやったらわからんやん、と思いつつ、観光地やから停まるやろとタカを括ってビビりながら乗っていたら、向かいに座ってたおばちゃんが〜〜музей とわたしが知る博物館なるワードを口にしたので、ここやここや!言うてせかせかとおりた。その時わたしは、музей が博物館に対応すること、博物館という日本語と博物館というものの内容のリンクは持てていたが、музей という言葉自体とその言葉の持つ意味内容のリンクは、その時にやっとしかも瞬時に出来上がった。そしてわたしは赤ちゃんの気持ちになる。これがмузей か〜〜ばぶばぶ。初めて見たわね〜。と、赤ちゃんはこうして言葉を覚えるんだな〜と実地における外国語学習の醍醐味を少し理解した。わたしが会話より読み書き派であることに変わりはないが。

 

 

あした(きょう) 日本にかえる。醤油とウーロン茶緑茶が恋しいが、責任ある一個人に戻ることがいやだ。キョロキョロしてるだけでも、ジロジロ見てるだけでもゆるされる自由な傍観者の立場にずっとありたい。

 

みんなにお土産配るのだけがたのしみ、